銀杏BOYZとクリープハイプと魂の話

暑苦しい人って鬱陶しくないですか。

熱血ぽいノリとか体育会系のテンションってどうも苦手だ。あいつら声でかくて怖いし。上下関係にうるさいし。松岡修造ばりに「熱くなれよ!」と言われたら「熱さを強要するなよ」と返したくなる。ロックおじさんにも結構そういう人がいて、なにかにつけて「魂」がどうのとか抜かすので困る。魂ってなんだ。

ちなみにこの「魂」は最近の若者の間で「エモい」とか「バイブス」と言った言葉にとって代わっていて、中身があるようでまるでない感じが最高にダサい。便利なのでよく使ってます。

というわけで、今回は音楽の話。

先月末、銀杏BOYZがシングルを出したんですよ。どうやら三ヶ月連続リリースの第三弾らしいのだけど、このバンドはずっと活動休止していると思いこんでいたから気がついた時は驚いた。情弱だね。そこで一通り最近のシングルをSpotifyで聴いてみたところ、どれも良かった。峯田節とも言えるド直球かつ下世話なワードと元々持っていたロマンチックな要素が良い案配に混ざり合って、いずれもシングルとして申し分ない出来。

ところで銀杏BOYZってあんまり好きじゃないのね。最初の話に戻るけど、峯田ってめっちゃ暑苦しいじゃん?根性丸出しな歌と下品な歌詞がパンクなサウンドに乗って頭悪い体育会系の権化みたいなところがある。そんなあいつにも良いところがあって、それが情に厚くて意外とセンチメンタルなところだ。知らんけど。

ここから本題。

最新シングル「恋は永遠」のカップリングは「二十九、三十」という曲なんだけど、この曲知ってますか?実はこれ、クリープハイプのカバーなのね。このカバーが超絶良い。マジで良い。おったまげた。

「二十九、三十」は尾崎世界観という普段は遠回しかつ的確な言葉で相手を刺しにくる性格の悪いアーティストが、なんとか恥を忍んで本音を歌にしてみたような曲で、平たく言うとクリープハイプの楽曲の中でも屈指の名曲。そんなエモみ溢れる曲を峯田が歌うとどうなるか。

My Bloody Valentineばりの轟音ギターと峯田の叫びが合わさって、これはもう最強まである。もしも歌に説得力というものがあるのだとしたら、「二十九、三十」での峯田の歌には間違いなく説得力がある。普段は「魂(笑)」とか抜かしてる僕ですら号泣する程度には魂感じちゃうよね。バイブスやべぇ。

いや、冗談めかしたけど本当に参った。峯田のことは「良い曲作るけどなんか苦手な人」くらいに思っていたのが、尾崎世界観の曲を借りることでこんなにも心動かされるとは思わなかった。実際、楽曲のポテンシャルを限界まで引き出しているような印象を受けて、まさに名カバーと賞賛せざるをえない。

尾崎世界観の著書「苦汁100%」で両者の交流については知っていて、どうやら尾崎は峯田のことをかなり尊敬している様子。それに対して峯田もレスポンスしようとしている様も多少書かれていて、そういったやり取りからこのカバーが生まれていったのかなと想像している。すると先輩後輩の友情みたいなバックグラウンドも見えてきて、尚更この曲が特別なもののように感じられるから始末に負えない。結局僕もこういった情に弱いセンチメンタルな日本人なのだ。恥ずかしい。峯田も心なしか自作曲より伸び伸びと歌っているように感じる、なんて流石に言い過ぎですかね。

ここ最近は「天使の3P!」の主題歌と「けものフレンズ」の主題歌を延々とリピートしながら熱唱してるオタク野郎な僕だけど、久々に「ロックっていいな」と思える良い出会いだった。近い内にアルバムも出すだろうし、今度はちゃんと聴こう。

 

本家のMV。名曲です。


クリープハイプ 「二十九、三十」MUSIC VIDEO

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